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【問題点】
バッグに入れる中身が変わったとはいえ、外側の袋はシリコンという、人体にとっては「異物」ですので、10人中2〜3人の人は異物に対する生体反応(化粧品、判創膏などでもカブレをおこすことがあるのと同じような)としてカプセル拘縮という状態がおきて、様々な程度の硬い乳房になることがあるという問題点は依然として残されています。

鼻などに使用する場合は、骨の代わりに使用しますので、硬くなっても問題ないのですが、乳房は軟らかくなくてはならないという絶対条件がある分だけ大きな問題です。
しかも、手術してみなければその反応が起きるかどうかも分かりませんし、手術後にマッサージを行う以外に予防する有効な手段はないというのが現状です。

乳房を大きくするためには、医師の技術以前の患者さんの体質の問題としてのリスクを負担する覚悟が必要です。

食塩水バッグ
食塩水の注入口から少しずつ漏れて、ある日突然、再び元の小さい乳房に戻ってしまうことがある。触った感触がシリコンゼリータイプよりやや硬いという欠点がありますが、腋の下の小さな傷で手術ができ、万一破れた場合にも、人体にとってはゼリーよりも安全という利点があります。
O.C.Mジェルバッグ

生理食塩水バッグのように漏れる心配はないかわりに、材質が硬く(体内では軟らかくなる)、腋からの手術は無理なので乳房のすぐ下を切開し、しかも傷あとも大きくなる欠点があります。なにぶん使用されはじめて歴史も浅く、長期経過の結果については不明という不安な部分もあります。

シリコンジェリーバッグ

触った感覚も軟らかく、150ml位の大きさまでであれば腋の下の小さな傷から手術できますが、万一破れた場合の安全性は食塩水などには劣ります。この問題の解決のため、形状記憶シリコンのコヒーシブシリコンジェルバッグが最近使用されはじめました。


プロテーゼを入れる部位
乳房が垂れているかどうかは手術後の形の善し悪しに大きく関係します。一般的には、軽度以上の下垂では良い形の乳房をつくることは難しいとされています。
このような人は他の項で述べる乳房下垂のための手術をも併用しなくてはなりません。

筋肉(大胸筋)の
下に入れる方法
乳房下垂がないか、あっても軽度の場合、腋の中央からやや内側に2〜3cm皮膚を切開し、その傷口から大胸筋と肋骨との間を広く剥離して、食塩水バッグでは大きさに制限なく、シリコンジェルバッグでは150mlまでの大きさのものを挿入します。
150ml以上の大きさのシリコンジェルやハイドロジェルのバッグは腋の下の小さな傷から入れるのは困難ですので、乳房と胸の境目を4cm位切開して挿入します。

手術中や手術後の痛みが(2)の方法よりひどく、局部麻酔でも手術可能ですが、全身麻酔の方が患者さんは楽だと思います。また術後4〜5日は日常生活も不自由です。
現在ではこの方法が主流になっていますが、この方法の欠点は筋肉の働きでプロテーゼが上方に偏移しやすく、万一、再手術が必要になった場合は、腋の下からの手術は困難なため、乳房下の皮膚切開で乳腺下に入れ直す手術を行うことになるかもしれません。
乳腺の下に
入れる方法
筋肉の下では良い形の乳房にならない乳房下垂がある。手術中や手術後の痛みが軽いほうでと望む方、再手術の方はこの方法になります。
乳輪の直径が普通か大きい場合、その周囲を半周切開するか、腋の下から大胸筋と乳腺の間を剥がしてプロテーゼを挿入します。
この手術は局所麻酔でも患者さんの苦痛は少なく、手術後の痛みも(1)の方法に比べると数段楽ですが、非常に痩せた方ではプロテーゼの形がはっきり分かりやすいという欠点があります。

乳房への脂肪注入
自分の皮下脂肪を腹部や大腿部などから吸引採取して注射器で注入する。脂肪注入法は「瞼」と「頬」にはその有効性が証明されていますが、その他の部位、とくに乳房では吸収率が高いため効果少なくも、また大量に注入した場合の嚢腫の発生の危険性が指摘されています。

乳房にほんのちょっと張りがでる程度で良いという方には、良い方法ですが、この場合でも、人によって吸収される度合いが違いますので、2〜3回の手術が必要かもしれません。太って腹部などに余分な脂肪がたくさんある方では、むしろ腹部の脂肪吸引を主目的として、脂肪を捨てるのはもったいないから乳房に注入する位の気持ちで手術されれば、効果がなくても損した気分にならなくて済むと思います。
ワンカップ以上の乳房の増大を望まれる方の場合、この方法はお勧めできません。
また、採取する余分な脂肪がない痩せた方は、この方法は不可能です。




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