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脂肪吸引法はフランスで始められ、日本においてもここ15年間で一般的な手術として定着しました。しかし、週刊誌などで言われているように誰にでも簡単に良い結果が望めるわけではありません。

とくに30歳以降の方や妊娠線があるような方で、少しでも皮膚に“たるみ”があると、手術後1〜3ヶ月くらいの間は皮膚の下の傷が柔らかくなりはじめる6ヵ月〜1年くらいの間に“たるみ”が一段と強調されるようになります。
また立った時に下腹部がふくらむ、あるいは食事の後に胃の辺りがふくらむという場合には、脂肪の問題ではなく腹直筋という筋肉のゆるみのせいであり、筋肉を鍛えるか筋肉を縫い縮める以外にありません。

これらのことは、どんなに脂肪吸引の技術の優れた医師が行っても、脂肪吸引だけで解決できる問題ではありません。したがって手術前にその方の皮膚の状態や、その他を正確に診断することが重要です。

また肥満のある方の場合、例えばお腹だけ脂肪をとっても全体のバランスから見れば逆に不自然さをつくり出すことになります。かといって、体全体の余分な脂肪をとることは、費用の面からも身体の負担の面からも無理だと思います。
まず食事療法と運動で身体の余分な脂肪を取り除いた上で、不必要な脂肪の部位と量を判断しましょう

手術の方法
1) 範囲が広い場合(腹部全体、大腿、下腿など)は、全身麻酔あるいは腰椎麻酔で手術を行います。
2) 吸引部の近くの皮膚に5mm程度の小切開を数カ所加え、そこから吸引管を挿入して、脂肪を吸引します。
3) 傷口を縫合し、吸引部を圧迫固定するため、包帯やあらかじめ用意していただいた締めつけの強いボディスーツやストッキングを装着します。




タルミは顔だけに限らず、身体の各部(乳房、腹部、上腕、臀部、大腿部など)に出てきます。脂肪吸引の手術を希望して受診される30歳以降の年齢の方の場合、タルミなのか脂肪なのかの診断はとくに重要になります。
上腕の場合で言えば、腕を水平にあげた状態で垂れ下がりを見て、腹部では立位でお腹をへこました状態で皮膚をつまんで判断します。

タルミが多い方の脂肪吸引手術は、痩せた老人の身体をつくってしまうだけです。
白人の場合は皮膚の性質で傷あとが目立たないため、乳房、腕や脚なども積極的に手術されますが、東洋人では傷あとが目立ちやすいため、腹部以外は積極的には手術されません。




腹部の脂肪吸引を希望して来られる方は比較的年齢の高い方に多く、したがって脂肪の問題だけでなく、妊娠線がたくさんあったり筋肉のゆるみがあったり、皮膚のタルミがあったりして、脂肪吸引だけで若々しい腹部にすることが難しいのが現実です。
美容外科手術は患者さんが満足されれば成功という意味から、腹部の出っ張りが治れば多少タルミやしわが残ってよいという場合、脂肪吸引手術だけでもそこそこの目的は達せられます。しかしタルミやシワもとって、張りのあるお腹をと希望される場合、タルミとりの手術は必ず必要になります。顔のタルミとりにフェイスリフトという手術があるように、一旦ゆるんでしまった皮膚は切ってとる以外にありません。

フェイスリフトの場合、髪の毛の中、耳の前、耳の後ろというようにヘアスタイルで隠せるところに傷をつけますが、腹部では下着で隠せるところに傷をつけて、下着で隠せない部分を良くする手術になます。(右図参照)
したがって婦人科の手術などで下腹部に縦の傷がある方の場合は、より目立たない横方向の傷あとになる一石二鳥の手術と言えます。




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