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論文にも書かれていることですが、診察に来られた患者さんは、診察室を出て家に帰られる頃には、医師から聞いた話の60%以上は覚えていない、自分に都合の良い部分だけが耳に残っていると言うことです。

インフォームドコンセント(説明と同意)の重要性が叫ばれている今日ですが、余程手術になれた方は別として、一生に何度もないことを経験しようとしている患者さんの心理状況からしても手術直前に時間をかけて説明し、その場で同意を得たとしても本当の意味で患者さんの理解を得られたとはいえません。

買い物をするにしても、少しでも安くいい品物を探すため、いろいろなお店を見てまわる慎重な女性が、自分の体にメスを入れる重大事件なのに、 せっかく来たのだからとか、友達の付き添いで来たついでにとか、医師に簡単だからと勧められたからと、いとも簡単に手術して後悔している方を見ると何故?と不思議に思いたくなります。

診察してすぐに手術ではなく、一旦、家に帰って冷静な気持ちで、手術について詳しく説明されたパンフレットをよく読んで、理解を深める必要性があります。腫れや傷あとが落ち着くまでには時間が必要ですから、特に顔の手術では仕事の休暇などの用意も必要です。美容外科手術はすぐに手術しなければ、生命に危険があるという種類のものではありませんから、自分にとって本当に必要か、自分にとって一番都合の良い時期はいつかなど熟慮してから決断することです。

次に診察についてですが、美容外科は“見た目”を対象とする科です。従って電話やメールでの御相談に正確にお答えすることは困難です。
患者さんのご希望やご期待にお応えするには、個人差、状態を診察して、どんな手術、どんな手術法を選択するべきかを判断します。

医師は教科書に書いてある手術法を適応するだけでなく、自分の経験に照らしてアドバイスも行います。例えば瞼のタルミ1つとっても、瞼自体のタルミに加え、眉毛が下がっているためのタルミもあります。どちらが主な原因かによって、どちらの手術を主にするべきかは自ら決めることになります。眉毛の下垂が主でこのように患者さんの訴えは1つでも、原因は1つではありません。あれば原因、診断を間違うとどんな良い手術を行っても良い結果は望めません。
診察、診断は手術と同じ位、あるいはそれ以上に大事なことなのです。





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