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美容外科ではシリコンという異物が、鼻やアゴに骨に替わるものとして、あるいは乳房には乳腺の替わりのものとして使用されます。
シリコンはケイ素を主体として作られており、ケイ素は現在でも胃腸内服薬として使用されており、美容素材ばかりでなく他の医療素材(心臓弁や体内埋めこみ用チューブなど)としても広く使用されています。以前はゼリー状のシリコンを注入した時代(昭和30年代)があり、そのため不幸な患者さんがたくさんおられることは事実です。しかし、昭和40年代には現在使用されているタイプに替わり、世界中ではもの凄い人数の方がシリコンの恩恵にあずかっておられます。
しかし、不幸にして、ごく少数の方に起きたトラブルのため、女性週刊誌などに悪者として取り上げられ、怖いもの、害悪のあるものとしてイメージが植え付けられました。
この少数のトラブルは、良いことずくめの手術前の説明や患者さんの言いなりの限界を超える手術を行う医師側の問題であり、シリコンの罪ではありません。女性週刊誌にとっては、美容外科の記事はセンセーショナルなほど女性読者にとっては興味があるでしょうし、本も売れるに違いありません。しかし、逆にいえば、めったに無いことだからニュースになるのであって、犬が人に噛みついてもたいした記事にはなりませんが、人が犬に噛みつくと面白おかしく報道されるのと同じ意味合いです。
患者さんの中には、伴創膏にかぶれる人もあるように、異物に対する反応は人それぞれに違いますし、技術的、材質的限界もあり、シリコンが100%安全で常に満足な結果が得られるとは言えません。
しかし、それに代わるいい素材がない以上、医師の経験と技術でその欠点を補うしか方法はありません。医療も医療素材も進歩しますが人体に使用されて、すでに20年以上の実績をもつシリコンが今なお使用されているという現実は、その欠点を補ってもなお余りある利点があることにほかありません。
魔法や神業的手術結果を期待したり、自分の希望や理想ばかりを追いかけなければ、安全で、利点の多い素材がシリコンです。 |
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