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院長コラム『Dr.原口のご存じですか?』

“消したい傷あと” 形成外科的に勧める傷あとの修正

やけどや事故の傷跡、ニキビ跡、開腹手術の傷跡など目立つ傷あとを何とかしたい・・・。
 「傷あとを消せますか?」という質問が多く寄せられます。子供のころの水疱瘡やニキビ、スポーツ・交通事故のケガ、帝王切開の傷あとなど、傷あとができた原因は様々ですが、目立つ傷あとを何とかしたいと希望される方は多いと思います。
 少しでも傷あとを目立たないものにしたい、このお悩みを解決するために、まず傷あとにはどのような種類があり、そしてどのような治療が必要になるのかをお伝えしたいと思います。

傷あとには種類があります。
◇高さの種類
 陥凹性瘢痕(凹んだ傷あと)/等高性瘢痕(平らな傷あと)/隆起性瘢痕・肥厚性瘢痕・ケロイド(盛り上がった傷あと)



◇形の種類
 線状瘢痕(一本線の傷あと)/弁状瘢痕(U字状にめくれた傷で中央部分が膨らんだ傷あと)/面状瘢痕(やけどの跡など広範囲の傷跡)



◇表面の状態の種類
 平滑瘢痕(つるつるして光沢感のある傷あと)/凹凸瘢痕(でこぼこした傷あと)



◇症状の種類
 掻痒性瘢痕(かゆみのある傷あと)/有痛性瘢痕(痛みのある傷あと)/無症候性瘢痕(症状のない傷あと)

◇機能障害の種類
 拘縮性瘢痕・瘢痕拘縮(ひきつれた傷あと)/非拘縮性瘢痕(ひきつれていない傷あと)


傷あとはなかったことにはなりませんが・・・ 
目立たなくする方法があります!
 「傷あとを消せますか?」という質問のお答えは、「残念ですが、消してしまうことはできません」となります。消してしまうことはできなくても、目立たない状態にすることができます。傷のひきつれがなく、幅の狭い傷あとは治療効果も高く、目立つ部分を切除して、形成外科の縫合技術を駆使して丁寧に縫い直します。

修正手術できれいな目立たない傷あとに!
 目立つ傷あとを切除して縫い直し、きれいで目立たない傷あとにする修正手術には、高度な縫合技術が要求されます。形成外科では真皮縫合という傷あとにかかる負荷を減らすための縫合を行います。また、縫合する方向もとても重要です。傷あとが目立ちにくくなる方向があるため、「Z形成術」や「W形成術」という形成外科独特のジグザグに縫合して傷あとの方向を変化させることで、治療効果を高めることがあります。



傷が治ってからのアフターケアも重要です!
 手術やケガをしてから傷あとの状態が安定するまでには、短くても3カ月ほどかかります。特にケガの場合は傷の周りの皮膚にもダメージが及び、ケガの直後にはダメージを受けた範囲がはっきりしないため、様子を見てから修正手術を行うかを判断します。
 手術後やケガが治った後、傷あとが安定するまでの期間に、少しでも傷あとが目立たずに落ち着くために行うアフターケアがあり、とても重要です。テーピングや圧迫療法のほか、傷あとの状態によって内服治療や外用剤、注射による薬物治療などがあります。治療方法を判断するためにも定期的な診察が必要になります。

ひきつれた傷あとの修正は?
 ひきつれた傷あとを切りなおすと、短くなっていた部分が元の長さに近づき、傷あとの長さは長くなります。そのため、修正手術を行うと傷あとは長くなります。修正手術では、傷あとのひきつれ再発予防のため、「Z形成術」や「W形成術」を追加したり、ひきつれを解除した後の状態によって「皮膚移植」が必要になることがあります。

傷あとの修正手術を行った後は
 繰り返しになりますが、手術後のアフターケアはとても重要です。抜糸をした後も、縫い寄せた部分には傷あとが広がろうとする力がかかっていますので、テーピングを行い傷にかかる負荷を軽減する必要があります。また、傷あとの色が目立たない状態で安定するために遮光する必要もあります。傷あとが落ち着くまでの期間には個人差があるため、いつごろまでアフターケアを行う必要があるか、追加で薬物治療を行うべきかを判断するため、定期的に経過観察を行うことになります。

傷あとの修正のまとめ

  • 傷あとを消し去ることはできない
  • 傷あとにはさまざまな種類がある
  • 凹凸や幅、ひきつれの改善には手術が有効
  • 手術後のアフターケアも手術と同じように重要

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